第5回:退院後に必要な準備リスト〜家の中を“介護仕様”にする方法〜
- thonma31
- 6月16日
- 読了時間: 4分
「来週には、退院できますよ」お医者さんからそう言われて、ホッとしたのも束の間——
「え…家に帰ってきてからのこと、何にも考えてなかった!」そんなふうに焦った経験、ありませんか?
実はこれ、よくあることなんです。病院では医療スタッフがついていてくれたけれど、家に戻ったらどうすればいいの? という不安。それはあなただけじゃなく、誰もが通る“介護の入口”です。

「退院=介護生活のスタート」って、ちょっとこわい?
私の知り合いの田中さん(46歳・会社員)も、まさにこのパターンでした。お母さんの退院が決まって喜んだのも束の間、「え、ベッドってこのままで大丈夫?」「お風呂入れるかな?」と、頭の中がぐるぐる。退院翌日、お母さんが自宅でつまずいて転びそうになった瞬間、思わず「ごめんね…準備、間に合わなかったね」と声が出たそうです。
そんなふうに、在宅介護って“いきなり始まる”ことが多いんですよね。
退院前にやっておきたい5つのこと
家を“介護しやすい場所”に整えるって、全部を完璧にやらなくても大丈夫。でも、最低限ここだけはチェックしておくと、退院後の慌て方が全然違います。
① 転ばない工夫、できてる?
滑りやすいスリッパはやめて、すべり止め付きの靴下に。
廊下やトイレの近くに手すりをつけると安心。
小さな段差やカーペットの端っこ、意外とあぶないです。
② トイレとお風呂は“命綱”
夜間が心配なら、ベッド近くにポータブルトイレを置くのもあり。
浴槽に入るのが大変そうなら、シャワーチェアや手すりを。
滑り止めマットは、安価でも十分効果があります。
③ ベッドまわりの環境、見直そう
起き上がるのがしんどいなら、介護ベッドをレンタルしてみて。
柵付きのベッドは転落予防にもなるし、安心感が違います。
介護保険が使えるから、思っているよりずっと気軽です。
④ 生活動線は“短く・シンプルに”
よく使うものは、取りやすい場所にまとめて。
できれば1階で生活を完結させるとラクです。
家族も一緒に動きやすくなるから、お互いの負担も減ります。
⑤ 離れてるときの見守りもひと工夫
センサー付きの呼び鈴や、簡易カメラも心の支えになります。
「見られてる」じゃなくて「見守ってるよ」って気持ちで。
どこから始めるか迷ったら、“一番困ってること”から
すべて完璧にしなくて大丈夫。まずは、「今、親が一番つらいこと」や「あなたが一番不安なこと」から着手すればいいんです。
田中さんは、お母さんの「夜中トイレに行くのが怖い…」という言葉を聞いて、すぐにポータブルトイレとセンサーライトを設置。
「それだけで、だいぶ安心して眠れるようになったよ」とお母さんが笑ってくれたそうです。
病院のスタッフや専門職の力も、ちゃんと借りていい
退院が近づいたら、病院の地域連携室やソーシャルワーカーさんに声をかけてみてください。
在宅介護に向けたリハビリの提案や、福祉用具のレンタルなど、いろいろ教えてくれます。
退院前にケアマネジャーさんともつながっておけると、その後の支援もスムーズです。

「全部できてなくても大丈夫」
小さな安心の積み重ねが、あなたを支えてくれる
いきなり100点を目指さなくていい。今のあなたと親にとって、“ちょうどいい安心”を一つずつ増やしていくことが、いちばん大切です。
「なんとかなるかも」って思える瞬間が、これからの生活を明るくしてくれますから。
☘️次回予告☘️
次回は…第6回:介護ベッド・手すり・トイレ…福祉用具のレンタルと選び方「買うと高いけど、レンタルってどんな仕組み?」そんな疑問に、わかりやすくお答えします!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
介護に向き合う毎日は、戸惑いや不安も多いもの。
このブログが、そんな日々の中で少しでも安心やヒントにつながれば嬉しいです。
無理なく、ひとつずつ、一緒に進んでいきましょう。
